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DAS初期設定を再確認しよう

もう今年も残すところ3ヶ月余りというところまできましたね。
残り3ヶ月は毎月ブログ更新できるように頑張ります。

はい、自称)BizRobo!エンジニアのもりりんです。

今回のテーマは、今更ですが「DASの初期設定」についてです。
かなり久しぶりにDASを初期設定したのですが、設定方法が忘却の彼方へ消えており、「OAuthトークンっていつからある機能なの?」「Omnipageの設定ってこれだけでいいの?」の他、OmnipageをChromiumへも適用できることを知ったため次回セットアップ時に忘れないよう備忘録的な内容となっています。

目次

DA / DASとは

軽くおさらいですが、BizRobo!にはロボットを実行する方法が2つあります。

DS

BizRobo!に内蔵されている実行エンジンで扱える範囲を自動化する方法です。
内蔵エンジンでエクセルも扱えますので、ほぼほぼ、こちらで完結します。
BizRobo!の開発ツールをDS(Design Studio)と呼ぶため、そのままDSと呼ばれます。

DA

内蔵エンジンで処理しきれない複雑なサイト、エクセル以外のOffice、WIndowsにインストールされているシステムを自動化する方法です。
メインサーバ(または、PC)以外に実行用リモートPCを用意する必要がありますが、専用アプリからロボットを遠隔実行します。
こちらの実行方法のことをDA(Desktop Automation)と呼びます。

なお、リモート操作用アプリのことをDAS(Desktop Automation Service)と呼びます。
ここが、少しややこしいところです。

DAの利用には、開発PC(または、サーバ)とリモートPCの最低2台必要となります。
自動化したい業務によりますが、活躍の頻度は低めだと思います。

ただし、サーバ型のBizRobo!をご利用の場合、11.x以降ではロボットの実行に必要なRS(RoboServer)をWindowsサービス上で稼働させる都合上、VBSやマクロの実行が正常に動作しないことがあるため、DAを利用することが公式でも推奨されています。

他にも長期稼働によりBizRobo!のバージョンが古くなることで、BizRobo!が採用する内部ブラウザの実行エンジンが各社サービスの要件に一致せず動作しなくなることがあります。

弊社でも7月ごろ、Chromiumで稼動するSalesforceロボットに影響がありました。
弊社のSalesforce環境にSpring2023のアップデートが適用されることによって、ログインするとスケルトンスクリーンで停止してしまう現象に遭遇し、DAで手直しすることがありました。
※ユーザエージェントを変更すると表示できたかもしれませんが、設定ファイルを変更する必要があるため影響がないようDA化しています。

スケルトンスクリーンとは?

Webサイトが完全に読み込まれる前に「こういうレイアウトで表示されますよー」とわかりやすく表示することで、ロード完了までの体感時間を短く感じさせる等のUXを向上させるために使われます。

11.4リリース前のパートナー向け説明会では、いずれDS→DAに重点を置くようにシフトチェンジする方向である旨の話があり、実際に11.4ではDSの機能追加は少なく、ほぼDA向けの改修ばかりだったと思います。
11.5のリリースも控えており、こちらもDAを中心とした改修となるようです。

また、11.4でDSのクラッシックブラウザ(IE対応)が廃止となりました。
過去バージョンで作成したロボットはレガシーとして動作しますが、編集不可となっており、いずれレガシーすら廃止されます。
現状、Edgeブラウザ(IEモード)を利用する場合はDAへの移行が推奨されているため、今後はDAに慣れていかざるを得ない状況になるかと思われます。

と、これ以上踏み込むとブログも長くなりそうなので、導入部分はここまでとし、初期設定と動作確認方法を説明します。

DASの初期設定

DASのインストールは、ポータルサイトからダウンロードできます。
※利用者情報のチェックが入るため、トライアル中もしくはユーザしかアクセスできません。

今回は、旧バージョンから11.4にアップグレードですが、普通にインストールしましょう。
ちなみに、11.1以前は32bit、11.3以降は64bitとなります。(地味にアップデートしてるの知らなかったw)

インストール後はDASをスタートアップに登録し、自動起動するように変更しておきます。

複数バージョンのDASを起動したい場合

残念ながら、同一プロセスと認識されるようで同時起動はできません。
公式ナレッジにも同様の記載があるため、注意しましょう。

ちなみに

Windows Server OSでは、マルチログインが可能なためユーザ毎でDAを起動させることが可能とのことです。
ここも発見!!(まあまあなスペックPC+Server OSで代用できるとしてもコスパの問題ですね)

全体

ようやく初期設定です。
大きくDAS自体のホスト管理項目DASの各種設定項目に分けられます。

ホスト管理項目の設定は、イントラネット内であればホスト名にインストールしたPCのIPアドレスを入力するだけです。
「ちなみに」で参考情報として提示している同一PC内で複数DASを立ち上げる方法を利用する場合、コマンドポート/ストリームポートは適宜変更しましょう。

各タブの設定は個別に見ていきましょう。

認証設定

認証設定は、miniとLite/Basicで設定方法が一部異なります。

認証項目の共通箇所は2つです。

クラスタ

DAは、RoboServerに紐づいているプロジェクトではなくMCのクラスタ(Production/Non Production)に依存します。
そのため、RoboServerが複数稼働していてもクラスタさえ一致していればプロジェクトが異なっても利用可能です。

ラベル

MCのデバイスマッピングで登録されているラベルを割り当てます。
ロボット側でダイナミックマッピングを利用しない限りは、一意性を担保するために同一ラベルを他DASに設定しないように気をつけましょう。

miniシングルユーザー

シングルユーザーにチェックを入れます。
すると、自動でシングルユーザータブに切り替わります。

トークン

miniにはサーバ機能がないため、アクセストークンを利用して直接疎通します。

DSでデバイスマッピングを作成する時に登録した「トークン」を入力します。

Lite/BasicManagement Console

Lite/Basicは、Management Console(以降、MC)と認証を行います。

MC パス

MCにアクセスするためのURLを入力します。
常時MCと疎通しており、MCから接続状況を確認できます。

認証方法は、従来のアカウント認証とOAuth2認証を選択できます。

アカウント認証

MCに登録しているアカウントのユーザ名/PWを指定します。
他アカウントと混同しないようにDAS専用にアカウントを発行しておきましょう。

OAuth2認証

MCの最上位権限でのみ表示されるクライアントシークレットを登録します。
アカウントを管理する必要もないため、理由がなければこちらがおすすめです。

※Lite/Lite+利用している場合、最上位権限は剥奪されるため環境構築時にコピーしておきましょう。

証明書

特に変更することはありません。

Windows

ずっと利用しているPCのため複数バージョンが表示されていますが、最新にチェックが入っていればOKです。
利用したいパッケージを固定したい場合は、「パッケージをロック」をチェックしましょう。

RFS(ロボットファイルシステム)を利用している場合にルート文字を変更したい場合は、マッピングを変更します。
OneドライブやGoogleドライブアプリ等のクラウドストレージ向けアプリを利用しているユーザが多いと思いますので、利用する機会は少なめです。
Samba等で建てたで共有サーバを利用されているユーザは、認証を省けるRFSの利用が吉です。

OCR

v11.4から採用された最新OCRであるOmniPageを有効にします。
デフォルトだと、英語しか画像認識できない(日本語は文字化け)するため、「eng+jpn」で英語と日本語に変更します。

従来のTesseractOCRは、英語パッケージしかインストールされていないため、日本語パッケージを手動でインストールした上で「eng+jpn」を指定しましょう。

Kofaxのマニュアル
ダウンロードサイト

試しに2つとも利用しましたが、普通に使っている分ではあまり差は感じなかったです。
特にタブの誤認識は結構な確率で両方ありました。
あとは、OmniPageの日本語の認識ミスも目立ちました。(手書きならまだしも活字での高頻度の誤認識だと、OCRとは。。。と肩透かしな感じです。)

なお、OmniPageはChromium利用でも指定できるようなので、DAに合わせて設定ファイルを変更しておくといいかもしれません。
途中で変更すると、稼働済みロボットに影響を与えるのでご利用は計画的に。

システム

こちらも特に触る項目はないですね。
Javaアプリケーションを操作する可能性がある場合は、Java Access Bridge(JAB)の確認をしておきましょう。

JABは、Oracle製であれば標準で入っています。
v10.xから利用していると、1.8を入れていることが大半だと思います。
v11.3からDASも64bit対応しているので、Javaも64bitにしてもいいかもです。

なお、OpenJDKでは、JABはインストールされません。
手動でインストールし、指定されたフォルダへ配置した上で読み込ませましょう。

1.8は利用率が高く何度も期限延長していますが、2025/3で延長サポートも終了ですのでアップデートも検討です。
Kofaxのインストールガイドも読みましたが、特にバージョン表記もなかったので最新のLTSでも問題ないのか気になるところですね。

OracleJDKは2019、2022にライセンス変更があり、無償、有償利用の線引きがされています。
企業にて利用する場合、間接的に企業に利益を発生させてしまうため商用利用扱いとなることが多いようです。
ライセンスページや解説ブログ等を確認の上、インストールを判断してください。

確認

設定変更後、DASを再起動すると常駐アイコンが青くなり設定が完了です。
グレーのままの場合は、設定を見直しましょう。

ロボットがDASにアクセスすると、鍵アイコンが表示されます。

なお、ロックがかかるタイミングは、ロボットを起動した時点です。

DSであれば、ロボットファイルを開き、実行状態にするとロックされます。

では、ロックがかかったか確認するため、DSからロボットを作成して動作確認します。

実行前の確認

DAのレコーダービューで確認できるように、タスクバーを展開した状態にしておく

実行するロボットは、シンプルにロボット(DA)呼び出しのみ
実行すると、レコーダービューにロックイアコンが表示されていることを確認

問題なく、動作しましたね。
よきよき。

さいごに

DASは1回設定すると、バージョンアップ、または端末追加がない限り設定する頻度が低いですよね。
最後に設定したのがv11.1だったため、項目が変わっていてあれ?どう設定するのか、どこにマニュアルあるんやー、と調べました。
というか、BizRobo!としてのマニュアルなかったよ?Kofaxしかなかったよ?(ポータルにもなかったし、何処にやあらん)

個人的(いや、みんなかも)には、他社RPAツールは(RDA中心のため)操作性が一貫しているが、BizRobo!ではDS/DAで大きく操作性が異なるため、提案時に区別を説明しづらく、結構なデメリットに感じることがあります。
実際DSの方が簡単に使える(他社でいうレコーディング機能が一体化している)ため、初めて触る方にはDSはかなりおすすめできるとは思います。
開発中にステップを行ったり来たりして開発する方が多いと思いますが、画面の遷移情報がキャッシュされることで何回も通信が発生せずスムーズに利用できる点は、他社ツールと比べてかなりGoodです。

11.4でファイル操作も標準で追加され、かなりDSに近づきましたが、やはり操作性が異なることがネックとなるかと思います。
が、慣れていきましょう。としか言えない点は辛いところです。

ですが、BizRobo!界隈 の大御所「おーいさん」が担当されている(超)分かりやすいBizRobo!CAMPUS!!にて、DA編の機能解説が多くされております。
セミナー+グループワーク形式ですので、気になる方は1度参加してみてください。

上記リンクにつきまして
初回できるページがなそうなので開催直前ですが、リンクをつけています。
終了された後に、閲覧された方申し訳ございません。

ではでは、また10月に。

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